過去の展示(本館)

コヤノコレクションは、コヤノ美術館の館長であり、株式会社コヤノの社長でもある小谷野達雄が50年かけて蒐集した品です。

「他の美術館では取り扱わない、ここに来てよかったと思ってもらえる展示をしたい」をモットーに、今年で本館は26回の展示品入れ替えを行いました。

過去の展示の様子は現在でも、2階の展示室内にあるアルバムで、ご覧頂くことができます。

櫛かんざし展 (平成10年)

化粧は古代において、美しく見せるというより、魔除け的な意味を持っていました。現代でもアフリカ原住民の中には狩りに行く時は、狩りの安全と成功を招くように化粧をして出かける部族もいます。近世に近づくと日本ではそんな傾向も影を潜めてしまいますが、女性がおしゃれに向ける関心は今と変わらず大きかったようで、江戸の頃には女性向のおしゃれに関する本も出ています。本展では、当時の女性のこだわりが見えるかんざしや櫛、化粧道具などを取り揃えました。小さな飾りの中に様々な遊び心や江戸庶民の〝粋〟を感じられる華やかな展示となりました。

浮世絵展(平成11年)

浮世絵と言えば、世界的にも高い評価を受けている日本の代表的美術品です。海外でも人気があり、世界中にコレクターがいます。一般によく知られている作品では国内よりむしろ海外の方がまとまった形でコレクションされているケースがあるほどです。 元々、浮世絵は庶民の物です。ただ、見えて楽しむ芸術というよりむしろ、もっと日常生活に根ざしたマスメディアに近い役割を持っていました。役者のプロマイド、異国から来た奇妙な動物がやってきたというニュース、呉服屋のチラシ等、よく見ると浮世絵は江戸の庶民文化を覗い知ることのできるタイムカプセルのようです。  本展では皆さんもよくご存知の「広重」や「豊国」作品も取り揃え、外国の方からもご好評を頂きました。

古鏡展(平成12年)

一般に鏡と言うとガラス鏡を連想しますが、ガラス製の鏡が普及したのは意外にも明治に入ってからの事で、それまでは銅を主原料とする金属製の物を磨いて使用していました。これらの鏡を総称して「古鏡」と呼んでいます。今回展示しました古鏡は室町から江戸時代にかけてのものです。この時期、鏡製造の技術は急速に進歩し、大量生産が可能となりました。それまでは、まだ大名など特権階級の品であった鏡が、商人の手を経て庶民に広まり、より実用的に多様化していく流れを感じて頂けたらと思います。

辧當箱と酒器展 (平成13年)

春は花見、夏は蛍狩り、秋は紅葉狩りと、昔から優雅な遊びには、事欠きませんでしたが、そこでなくてはならないものが料理と御酒、忙中閑有りと楽しむためにも入れ物である弁当箱・酒器に、当時の人々は工夫をこらし、凝ったものを作り楽しんでいました。が、近年になるに従って弁当箱は簡素化され機能的な物に変化して行き、弁当箱ひとつとって見てもその時代の文化の流れが見えて来る様です。

灯かり展(平成14年)

「灯かり」を手に入れることで、人間はそれまで自然の領域であった夜の世界に足を踏み入れ、人々の暮らしは大きく変貌しました。幾つもの電球に彩られた夜景も美しいですが、 火の灯かりは何とも仄かで心癒される思いがします。古の道具に囲まれて、穏やかな火の光に照らされた生活に思いを馳せてみて下さい。

銭箱と錠前展 (平成15年)

江戸時代に入って錠前に鍛冶師達のこだわりから生まれたからくり錠を始め多種多様な錠前で、目に見えない内部の隅々まで手を抜く事の無い仕事ぶりと、また、錠前の表面には地味だが落ち着いた装飾でその図柄を見ても面白く、鉄でありながら妙にぬくもりを感じさせる不思議な魅力を持っています。また、銭箱も地味ではありますが、どっしりとしており銭をしまう箱として大切に扱われた時代の深みがあり、味わい深いものです。

喫煙具展(平成16年)

ホテル、電車を始め各会合等でも禁煙の場所が増えて来た昨今ですが、昔の人達はチョット一服と、きせるをくわえて煙をふかしながらゆるりと流れていく時を楽しんだものです。
その楽しみ方のもう一つに、きせる、煙草入れ、煙草盆等、使用する小道具にも段々とこり始め様々なこまかい細工をほどこし、材質にもこだわる様になって来て、模様、形共にまさに芸術品であります。

古地図展(平成17年)

古い地図と現代の地図を比較することで歴史の変化を感じ取ってもらう目的で、平安時代から大正時代の古地図や測量器・方位磁石等、380点を展示しました。

映画ポスター展(平成18年)

映画全盛期だった昭和30年代から40年代頃の映画ポスターや撮影機材など365点を展示しました。

10周年記念展(平成19年)

コヤノ美術館の10周年記念として、淀君ご使用の手あぶり火鉢や聖武天皇時代の坩堝、徳川家光の書状、孝明天皇の火事場頭巾など、普段中々展示出来ない品々を展示致しました。

文具展(平成20年)

江戸時代から昭和の文具を展示しました。

盃洗と引札展(平成21年)

江戸時代や大正時代などの盃洗や、明治時代などの引札を展示しました。

鏡台展(平成22年)

桃山時代から昭和までの鏡台と化粧道具を展示しました。時代によるデザインの移り変わりや、大名の婚礼道具としての鏡台・普段使いの鏡台・町民の鏡台の違いなどを見比べ、楽しんでいただきました。

盃台と東海道五十三次展(平成23年)

盃台とは、客に酒を勧める際に盃を乗せる台のことです。
盃は日常の飲酒の他、神事、賜杯、血縁関係の無いもの同士の絆の確認や結婚式といった人間関係を結ぶ時など、さまざまな場面で使用されてきました。その盃を支えるのが盃台です。職人達はこの盃台をどのような思いを込めて作ったのか。また、人々は何を感じてその盃台を使ってきたのか。素材や形、描かれた模様など、様々な盃台を楽しんで頂きました。
また、東海道五十三次については、広重画の復刻版画と昭和初期の写真を見比べ、町並みの移り変わりを楽しんで頂きました。

裁縫と抒情画展(平成24年)

アイロンを中心に、裁縫箱やミシンなど、裁縫に関わるものの展示を行いました。
また、大正末期から昭和初期にかけて全盛を迎えた思春期の少女の繊細に揺れ動く心を描く抒情画。中原淳一や竹久夢二、加籘まさを、松本かつぢ等、当時有名だった抒情画家達の版画を展示しました。
その他、中原淳一が創刊した雑誌「それいゆ」や「ジュニアそれいゆ」、「ひまわり」等もお楽しみ頂きました。

貯金箱と宝船展(平成25年)

各銀行や企業の貯金箱や、戦後すぐの子供用貯金箱、アニメキャラクターの貯金箱と、宝船を展示しました。
1960年ごろ、銀行の景品として配られた貯金箱は、貯金箱としても玩具としても1ジャンルを築くほどに人々の手に広く渡りました。現在、合併により銀行の数も少なくなりましたが、貯金箱を通して銀行の変遷や、特徴なども見えてきます。また、子供たちに楽しみながらお金を貯めさせようと作られた可愛らしい貯金箱や、お金が貯まりそうなめでたい貯金箱まで、様々な貯金箱をお楽しみ頂きました。
そして、「初夢に良い夢を見れば一年幸せ」良い夢を見るために枕の下に敷いた宝船。縁起物や欲しい宝が描かれた宝船50点を展示。力強さを感じさせる宝船、ちょっと笑える宝船、ユーモアをきかせた宝船・・・様々な宝船をお楽しみ頂きました。

はきもの展(平成26年)

地面がアスファルトに覆われてから、一気に姿を消していった下駄も、最近若者を中心に、再び履かれるようになってきているみたいです。
何かと不安定なこのご時世、足元をしっかり固めようという気持ちを込めて、「はきもの展」を開催しました。
雪駄や下駄を中心に、ジャイアント馬場の靴や国士舘の学生が履いていた鉄下駄、特許取得の伸縮下駄、大正天皇の履いた足袋まで、様々な履物をお楽しみ頂きました。
当時の日本人の足元を彩ったはきものから、時代の流行や履物の意味合いなどが見えてくるような気がします。

櫛・簪(かんざし)と化粧道具展(平成27年)

古くは櫛で髪を梳くことで魔を削ぎ落とし、簪は身につけることで魔を寄せ付けない、まじない要素を持ち合わせたものでした。魔を祓う意味と、見た目の華やかさより、暗雲立ち込める今の世の中を明るくしたいという気持ちを込め、「櫛・簪と化粧道具展」を開催しました。
まじないから始まった「くし・かんざし」は、古くからあるものの、平安~安土桃山時代まではさほど需要がありませんでした。それが江戸時代に入り、華やかな一大文化を築きあげました。
火を付け、どんどん広げていった女性の美へのこだわり、探究心は、本当に素晴らしいと思います。
そして「化粧道具」。身だしなみを整えるため、また、より美しく魅せる為に、女性を中心に施される化粧。その道具は、今も変わらない物から全く見覚えのない物まで様々です。
その他、男性の身だしなみ道具・バリカンやカミソリ他、理髪用具など、約1500点をお楽しみ頂きました。

うちわ展(平成28年)

古来、儀礼よりはじまったうちわは、江戸時代に大衆に広まったことから、炊事や夏場の清涼道具装いなど実用的なものとなり、明治以降、広告媒体として広く活用されるようになりました。 明治以降のうちわの図柄は日本の風物詩を表した情緒あふれるものから、楽しい図柄や人気の画家の絵、人気俳優で商品を宣伝するものまで様々あり、どれも時代を色濃く表しています。
その図柄からは、時代の流れが見えてくるような気がします。そんな明治から昭和初期を中心にしたうちわと、うちわの元図、約300点を展示しました。

ぼうし?と かばん?展(平成29年)

日差し・外敵・様々な要因から頭を守る、身分をあらわす、美を、自分をあらわす帽子(かぶりもの)と、便利に、おしゃれに、物を持ち運ぶかばん(ふくろ)。どちらも、暮らしにとても密着したもので、様々なデザインのものがあります。 日本で発展し、長らく使われた笠やふくろなどは、明治維新により西洋文化が入ってきたことによって瞬く間に帽子とバッグにとってかわられました。時代が移り変わるその時、人々の暮らしに何が起こったのか。それを帽子?とかばん?という身近な切り口から想像をふくらませられるおもしろい展示でした。また、「こんなの使っている人が居たんだ!」「おしゃれだな」「かっこいいな」と、純粋に見て楽しめました。大正~昭和の時代は特に、おしゃれへの貪欲さと探求心を感じさせます。

周年記念 珍品展(平成30年)

コヤノ美術館本館、開館20周年を記念し、珍品展~知恵と勇気と~を開催しました。
江戸時代の補聴器や自動ハエ取り器、筋力増強一人テニスその他、「懐かしいけど最近見ない」から「なんだこれ」まで知恵をひねったもののほか、張作霖爆殺事件時の電灯や大石内蔵助が討入時着用していた帷子の一部など、なぜか残された有名な事件の一片なども種々取り揃えて展示しました。
その他、明治時代の大阪名所浮世絵や昭和初期の大阪360度パノラマ写真など、大阪に因んだ展示もおこないました。

浮世絵展(平成31・令和元年)

浮世絵、それは庶民の日常、理想、親しみ、感傷、興味関心…様々なことをないまぜにした風俗画。
幕末から明治という時代の移り変わる時期、なにを好み、関心を持ち、興味を引いたのか。 
歌川国貞を中心に、揚洲周延や広重、国芳、貞秀その他、様々な絵師の作品をそろえました。
美しかったり怖かったり面白かったり、様々な方向からアプローチされた浮世絵を、
気軽に楽しんで頂けました。

おもちゃ展(令和2・3年)

昭和を中心としたなつかしいおもちゃの展示をおこないました。
ソフビ人形やミニカー、積み木にカタカタ引き車、その他、明治の歌川派浮世絵師であり昭和初期の郷土玩具界の席巻した川崎巨泉の玩具絵や 大正時代の迷子札なども。沢山の玩具が見る人を楽しませました。

(新型コロナによる緊急事態宣言発令の為休館していた時期もあり、2年の開催となりました)

 

 

楽譜表紙展(令和4年)

 大正~昭和にかけての楽譜を展示。
西洋から様々な音楽や楽器が入り、庶民の間でも音楽を楽しむようになった時代。
もっと親しめるようにとその加速を促したのが、美しく・かわいらしく・デザイン性高く描かれた楽譜の表紙でした。
中身の音楽だけではなく、楽譜の表紙にまでこだわっている。
世界的に見ても非常に珍しい日本の楽譜の世界。
時代や各社による特徴やレタリングなどに注目して楽しんで頂けました。

記念切符と古地図展(令和5年)

1970~1980年代を中心とした記念切符と
関西の江戸時代の地図、明治・大正時代の世界地図などを展示しました。
その時代ならではの情報がギュッと詰まってじっくり見るとほんとにおもしろい!
記念切符は、純粋に懐かしく思って下さる方もいると思いますが、この年代にこんなイベントがあったんだ!こんな電車が走ってたんだ!この駅や建物ははいつ頃出来たんだ!や、その地域の名所など、切符一枚からも様々な情報が読み取ることが出来ます。
古地図もその時代ならではの情報や、地名などを見るのも面白いし、当時の人が何の目的で作成し、何を思って眺めたのかを考えてみても楽しいです。皆様長時間じっくり眺めて楽しんでくださいました。

 

小学校の社会の教材にもなりました。

安土桃山時代~昭和までの弁当箱

提灯やランプなど私たちの生活を照らしてきた「あかり」

昔のコミュニケーションと御洒落の象徴、喫煙具

日本がわかる・世界がわかる、古地図。

旅先で地図が必須なのは今も昔も変わらない…。今はスマホだけど昔は!?

お金って重い…!頑丈につくられた銭箱と、中身を守る錠前。

入館料:一般500円(10名以上の団体:400円)
      小中高200円(10名以上の団体:150円)
開館時間:AM11:00~PM6:00(入館はPM5:30まで)
休館日:日曜・祝日および展示替期間
住所:大阪府大阪市都島区東野田町1丁目19-7
TEL:06-6358-7555

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